GCが初めて渋谷を離れた。キャバレーを改装した鶯谷の東京キネマ倶楽部。シティ・ポップスの女王・大貫妙子にこそふさわしい会場だ。「いつも通り」「風の道」、そして「ピーター・ラビットとわたし」。寺岡と堂島孝平はこの名曲達を生で聴ける贅沢を熟知している。大貫はバック転をする堂島のやんちゃさがツボだったらしい。ポップスの幸福な宴。寺岡がその才能に惚れ込み、「25年ぶりの手紙」で会場を号泣させたShifoも忘れ難い。
 会場を東京キネマ倶楽部に移してのGolden Circle vol.06。初日のスペシャル・ゲストは大貫妙子さん。この日もとても緊張しましたね。大貫さんはとても音にシビアな方でした。もしかしたら今までで一番だったかもしれない。リハーサル中も「今、どこを歌ってるの?」と細かく指示を出されて。すごく勉強になりましたね。  
東京キネマ倶楽部にはステージ袖に趣きのある階段があるんです。2階から降りてこれるような作りになってて、本番前にそこから大貫妙子さんが登場するという話になって、僕が「大貫妙子さんです」と紹介して降りてきてもらいました。その後にまわりから「ああいう場合は男の人がエスコートするものだ」と言われて。「あー! そうでしたねー!」と謝ったら、大貫さんが「そうよ。待ってたのよ」って。自分が気が利かない男だということにも気がつきましたね(笑)。  
Shifoさんのライヴはすごかったですね。とても異色でね。終わった後、ロビーで彼女のCDがめちゃくちゃ売れてたらしいんです。世の中にはいろいろな形で音楽に携わってる人がいるんだぁということを、彼女のおかげで感じることができた。で、そういう人をパッと自分のイベントに出てもらうというのは、非常にGolden Circleならではと言うか。知名度に左右されずに自分が「いいな」と思う人を紹介できる場にもなった。とにかくShifoさんの歌は本当に良くて、僕もちょっと泣きそうになったくらいでした。  そして堂島孝平君に再び出てもらいました。ここで初めて堂島君が詞を提供してくれた「さよならアンナ」を一緒に歌うことができて。Shifoさん、堂島君、大貫さんという流れもとても良かった。しかも翌週には泉谷さんが出るという(笑)。本当にコントラストが激しかったvol.06でした。
【呼人バンド】胸いっぱいの愛を/あとどれくらい?/陽のあたる場所/夜曲/Theme of Golden Circle 【Shifo】おかげさま/25年ぶりの手紙/一里塚/どっちでも不思議(with寺岡呼人) 【堂島孝平+呼人バンド】セピア/海と少年/さよならアンナ/七月/45°C 【大貫妙子】la musique(ラ ミュージック)/新しいシャツ/横顔/いつも通り/風の道 EN-1:ピーターラビットとわたし
 翌日は熱いフォークの夜。まだあどけないが楽曲センスは本物だった平川地一丁目、弾き語りながらポップさを兼ね備えるBREATH、そして寺岡も男臭い弾き語りを見せ、真打ちの泉谷しげるが現れた。権力を皮肉で笑い飛ばし、侘しさと孤独を絶妙に描き切る。現代だからこそ、さらに威力を増す鋭い言葉達。セッションで出演者や客席を叱咤し、奮い立たせた泉谷。彼がGCで伝えたものは、明日へと生きる力だったのである。
 vol.10の直前、名古屋駅で青年2人に声をかけられて。それが平川地一丁目で、めちゃめちゃ大人になっててビックリした! 「大きくなったねー」みたいな。出会った頃はまだ子供で「お父さんに髪を切ってもらってます」って言ってたのに(笑)。その平川地一丁目と泉谷しげるさんという組み合わせ。平川地一丁目には原点っぽいフォークをやってるというイメージを持ってて。たぶん王道のフォーク・ソングが好きな人達なんですよ。だから彼らと泉谷さんのコントラストを非常に楽しみにしてました。泉谷さんは最初から最後まで、じ〜っと腕を組みながら舞台袖でイベントを見てて、BREATHに「お前ら、OLが好きそうなのやってんなー」とか言って(笑)。その姿勢は本当にすごいなと思いますね。  
僕は泉谷さんをめちゃくちゃ聴いてたわけじゃなかったんです。ただ、なぎら健壱さんが書いた『日本フォーク私的大全』というすごく面白い本があって、そこに出てくる泉谷さん像がやっぱりすごくて。それで聴き返してみたら、本当にいい曲がいっぱいあったんですよ。だから「春のからっ風」とか、ぜひやってほしかった曲をお願いして、それをもう全部やってくれたんですね。  
イベントの翌日か翌々日に、車の中でたまたま泉谷さんがAMラジオの昼間にやってる番組を聴いて、そしたらゲストがCHABOさんだったんです。泉谷さんが「いや、寺岡のイベントに出てさ、この曲をやったんだよ」、CHABOさんも「俺も出たことあるよ」って。それから二人で「春のからっ風」を生演奏したんです。何かもう、いろいろとつながるじゃないですか。そういうことがすごく嬉しくて。泉谷さんは俳優としてはすごい存在感で、日本ではなくてはならない存在だけど、シンガーとしての泉谷さんをもう一回ちゃんと見てみたい。強くそう思いましたね。
【上間善一郎】想い出、他 【平川地一丁目】せんこうの華/君との約束/君の分まで/君のくつ/星から吹く風 【BREATH】Darlin'/IMAGE(with寺岡呼人)/アイ・ラブ・ユー(with呼人バンド) 【寺岡呼人】OH! シット!/ヘイ、ジョー/酔いどれ天使/アップルパイ/ブランニュージェネレーション/夜曲 【泉谷しげる】おー脳!!/黒いカバン/春のからっ風/永遠のウソつき/イメージの詩
EN-1:眠れない夜 EN-2:春夏秋冬 EN-3:野性のバラッド 
Title : Golden Circle
2010/10/20 Release
TFCC-86336 定価:3000円(TAX IN)